お茶づくりをはじめたきっかけ
「八女鰐八(やめわにばち)」代表の高木と申します。2018年に福岡市から隣の八女市に移住して茶農家をはじめ、お茶の栽培・加工・販売を行っています。
元々表現をすることが好きで、「人を幸せにする」というテーマがありましたが、「幸せ」という概念が変わるきっかけがあり、突き詰めていった結果、お茶づくりがそれに繋がると感じ、はじめました。
今の時代だからこその「新しいお茶づくり」
農薬や化学肥料で収量を上げる必要があった時代を経て現代がありますが、
収量を上げるために肥料をまく→害虫の被害が出る→害虫から守るために農薬を撒く。→土にいる微生物が死ぬ。→微生物が死ぬから土が肥えない。→土が肥えないから肥料をまく。 こういった循環で農業が栄えてきました。
しかし、このような収量確保のための栽培方法では、土地ならではの味わいの個性が薄れてしまいます。お茶文化も衰退していく現代に、味わいが画一化され、面白味がなくなることで、ますますお茶離れも進んでしまう。そんななか、今の時代だからこそご提供できる、新しいお茶の価値があると思っています。
お茶の木そのものの性格を引き出す栽培。日当たりの良し悪しや、土質の違いによって、渋みが出たり、味わいに奥行きが出たり。そんなお茶の性格・この土地ならでは特徴を生かし、見極めてお茶を加工していきます。
新しいお茶の価値
「旨味が強く・渋くない日本茶」が現代では主流ですが、それだけではない美味さやお茶の性格を楽しんでもらえたらと思っています。便利さや「良いとされるもの」にはない、面白さをお茶を通してお伝えしたい。八女鰐八のお茶が現代を考えるきっかけになればと思います。
いまある価値観にとらわれない新しい選択肢を、八女鰐八のお茶と活動で魅せていきたいと思います。 お茶は自分の分身だと思っていましたが、この文章を綴ってみて、お茶は自分の相棒でしたね。
これからも新しい時代に向かって一緒に成長していきます。
「八女鰐八」 代表 高木亮
福岡市出身。農業に出会い、2018年に八女市鰐八へ移住し、茶農家をはじめる。根本的な「自然の力」を引き出す新しいお茶づくりを目指している。